鹿児島県薩摩川内市 塩田酒造

「六代目百合」でなくなるような、軟弱な焼酎は作らない。「一蔵一銘柄」を貫く硬派な蔵元。

鹿児島からフェリーに乗り一時間半ほど揺られると、美しい海原の中、荒々しい岩肌の山々に囲まれた島「甑島(こしきじま)」が見えて来ます。港に迎えにきてくれた塩田将史さんは、大きな体躯と声が印象深い蔵元。全身から醸し出される貫禄は雄々しい甑島の男らしく、「なんかさ、俺が半纏着て一升瓶持ちながら笑顔って、柄じゃないんだよなぁ。酒飲んでる時が一番俺らしいよ。」と豪快な笑顔。鹿児島焼酎界の兄貴肌という呼び名にも納得してしまいます。

塩田酒造は、港からすぐ近くの海に面した海岸沿いにあります。創業は江戸時代の天保年間という、年代を感じさせる蔵の中は、ある意味驚くほどに整理されていて清潔そのもの。近代設備も多く並び、醪(もろみ)のちょっとした温度変化も見逃さないように機械で細かく管理されています。
「酒の味が変わらなければ、便利な物はどんどん取り込んでいく。そこの機械のシステムも俺がつくったんだ。」初対面の豪快な印象とは裏腹に、とても繊細で几帳面な人柄を併せ持つ塩田さん。150 年の歴史に胡坐をかくことなく、ひとつの焼酎をストイックに追求するには、豪快さと繊細さを併せ持つことが必要なのだと教えてくれているようです。

塩田酒造株式会社
鹿児島県薩摩川内市里町里1604